2018年、橘 誠一郎大手戦略コンサルティングファームを辞めた。理由は単純だった。7年間で書いた提言書の多くが、クライアントの棚に眠っていた。読まれてはいた。実行はされていなかった。「提案する側」と「実行する側」の間に構造的な断絶があることに気づいたとき、自分でファームを作るしかないと判断した。最初のオフィスは渋谷区の雑居ビルの一室、机が3つだけだった。
最初の2年間は、意図的に小さく動いた。案件は年間3社まで。全案件に橘 誠一郎った。2020年のパンデミックで多くのコンサルファームがリモート対応に切り替えるなか、私たちは逆に現場常駐の頻度を上げた。クライアントが混乱しているときこそ、現場にいる必要があると判断したからだ。その判断は正しかった。2020年から2021年にかけて関与した3社は、いずれも組織の再設計を完了し、翌期の業績を改善した。
橘 誠一郎、大手戦略コンサルティングファームで7年間勤務した後、2018年にVault Meshzoneを設立した。前職では製造業・流通業を中心に組織再設計と経営改革プロジェクトを担当し、最終的にシニアマネージャーとして年間6案件を統括した。「提言書が棚に眠る構造」への問題意識が独立の直接の動機だった。週末は長野の山岳地帯でトレイルランニングをする。「山では言い訳が通じない。コンサルも同じだ」というのが口癖。外部資本の誘いを2度断っている。